無題01

 頬を窄ませながら、溢れんばかりの果汁を吸い上げるかのように速水は下品な音を立てて椅子に腰掛ける瀬戸口のペニスにしゃぶりつく。
 小さな口は大きなペニスのほんの先までしか含むことしかできないが、それでも強引に喉奥まで咥え込んで離そうとしなかった。小さな白い手で竿を扱き、頭も前後に揺すって瀬戸口を見上げる。
 気持ちいい? と問うてくるような様子に瀬戸口は優しく微笑んで「気持ちいいよ」と答えては頭を撫でた。
 しかし発情した速水にとっては、それさえも感じてしまう。頭の中が彼のことでいっぱいになり、鼻から抜けるような青臭いカウパー液の風味に直腸が期待して、悦ぶようにうねるのだ。
 小さな皺の一つ一つに舌を這わせて、吸い付き、丁寧に奉仕する。やがてペニスがビクビクと震え、撫でている睾丸が持ち上がるような気配がした。
 出そうかな、と察した速水は瀬戸口の様子を上目遣いで伺う。
 熱い吐息を漏らし、ヒクリと身震いさせて感じ入ったような瀬戸口の姿。艶めかしい彼の淫らな表情に速水は顔を赤らめてうっとりと見惚れる。
「速水、出すよ」
 瀬戸口のその言葉を合図に、速水はペニスから愛撫を施す手と口を離した。
 ぺたん、と手も床について座り込み、次に口を大きく広げて舌を突き出す。
 突き出された真っ赤な舌を瀬戸口は摘まみ、手前に引っ張り出すと限界まで張り詰めた血管の浮き出る赤黒いペニスを自ら扱いて速水の口元へ近付けた。
 唾液とカウパー液で濡れた熱い性器は扱く度にニチニチと粘着質な音がする。
 口を開いたままの状態を維持させられ、飲み込めず口の端や舌の先から唾液を滴らせた速水は鼻息を少し荒くさせて目の前のペニスに釘付けとなっていた。
 待てをさせられている、犬のような――
 そんな卑猥にとろけた表情で期待していると、亀頭が口元により近づけられる。
 そして、吐き出されるのは待ち望んでいた大量の精液。
 ややゼリー状の固まりがトロトロの熱い液状のものと混ざって断続的に速水の口へと吐き出される。溺れんばかりの精液で封じられた咥内では口呼吸が許されず、可哀想なくらいに必死に鼻で酸素を得ようとする速水は苦痛の中でも恍惚の表情を浮かべていた。
 大好きな味と匂い。それだけで内股を摺り合わせながら、体を痙攣させて小さなオーガズムを迎えてしまう。何度かに分けて瀬戸口は吐精したあと、尿道から滴る残骸を白く柔らかな速水の頬に擦り付け、やがて舌から指を離すと速水の様子をまじまじと視姦するように見下ろした。
 異形であるが故の尋常じゃない量の精液を口に含んだ速水は抵抗せず、発情しながら精液に溺れている。
「お利口さん。じゃ、ちゃんと味わって飲んで」
 速水は言われるがまま、こぼさないように慎重に口を閉じ、くちゅくちゅと口の中で精液をかき混ぜて口内の隅々まで染み込ませたあと、ごくんと音を立てて飲み込んだ。
 喉に絡み付き、なかなか降りていってくれない濃厚な子種。速水はもう、我慢できなかった。
 ちゃんと飲み干したことを口を開いて証明し、そのまま膝を立てて足を大きく広げる。間にあるのはくっきりと縦に溝の入った肉厚なアナル。パクパクと口を開き、中の赤い柔肉を逞しい雄で蹂躙されることを望んでいる。
「ちゃんと飲めたから……お願い……赤ちゃんの種、こっちにも欲しいよぉ……」
指で自らくぱっと広げて腰を持ち上げ、へこへことみっともなく揺する。交尾がしたい、種付けされたい、と理性の欠けた壊れた頭ではそれしか考えられない。
「種付けだけでいいの?」
「んぅ……ちがう……おまんこの奥、こんこんってされたいの……ゴリゴリってぇ、擦って……いっぱいえっちで気持ちいいことして欲しい……」
 自らを雌と認め、膣であることを述べながら速水は泣き出しそうな顔と声で懇願する。普段の聡明そうな、優等生の面影は感じ取れない。大好きな人に組み敷かれて犯されて、女にされる悦びに依存したはしたない雌となり果てている。
 触れられてもいないのに真っ赤に勃起した乳首も、ヒクヒクと収縮する拡張済みのアナルも、勃ちもせず殆ど機能も果たしていない幼い性器も。
 それらが全て、いまの速水のシて欲しいことを述べていた。
「いいよ。お尻の奥の、あっちゃんがずっと気持ちよくなっちゃうとこじっくりピストンして突いてあげるね」
 おいで、と囁く。
 速水はふらふらと、椅子の上の瀬戸口に手を引かれながらなんとか立ち上がって彼の足の間に跨った。
 早速、熟れた乳首に悪戯をされながら速水は甘い声を上げる。本能で求め合う二人の交尾は、まだ始まったばかりであった。